青春漂流

体調を崩した。
精神的にネガティヴになるから、不思議だ。

自分はミシマガジンというwebサイトが好きでよく覗くのだが、その中でも北野新太さんの"いささか私的過ぎる取材後記"が一番好きだ。
今日、新しい話が更新されていて心に響いたのでここに残しておこうと思う。

立花隆という人の話であった。その方については、不勉強ながら存じ上げないが、その中に記載されていた文章が今の自分にピッタリだった。以下が、その文である。


迷いと惑いが青春の特徴であり特権でもある。それだけに恥も多く、失敗も多い。恥なしの青春、失敗なしの青春など青春の名に値しない。自分に忠実に、しかも大胆に生きようと思うほど、恥も失敗もより多くなるのが通例である。  迷いと惑いの挙げ句、生き方の選択に失敗して、ついに失敗したままの人生を送ってしまうなどありふれた話だ。若者の前にはあらゆる可能性が開けているなどとよくいわれる。その時「あらゆる可能性」には、あらゆる失敗の可能性もまた含まれていることを忘れてはならない。  先に述べた「精神だけが老化した青年」とは、実は、あらゆる失敗の可能性を前にして足がすくんでしまった青年のことである。彼は、口を開けば人生にチャレンジしない自分の生き方についていろいろ聞いたふうのことを言うかもしれない。しかし真実は、彼は人生を前にして足がすくんでしまっているというごく単純なことなのだ。  また、あらゆる失敗の可能性を忘れている人は、いかに大胆に生きようと、無謀に生きたというだけである。  あらゆる失敗の可能性を見据えつつ大胆に生きた人こそ、よく青春を生きたと言うべきだろう。                         「青春漂流」(講談社文庫)



青春という時期は、とっくに過ぎている。しかし、精神が老化しただけの老人になっているんじゃないかという気になった。チャレンジとか簡単に言っているが、真のチャレンジをしているのだろうか?何か逃げているだけではないのだろうか?もう一度、考えてみよう。